| 仏性 | - 2025/04/30
- サンドウィッチマンが、総合病院を巡り、その病院の一角にラジオブースを作り、そこからON AIRをする「病院ラジオ」という番組があります。
その病院に入院している患者さん、そのご家族、通院をしている方々が、サンドウィッチマンのお二人とトークをする番組です。時々見るのですが、昨日は、東京、府中にある子供病院編でした。
病を持つ子供たちが、自分の病気について、入院生活について、治療について話をします。そしてそれを、担当の先生はじめ、看護師さん、スタッフの方々、ご家族の方々、他の患者さんが聞くことができます。
今回登場した、全てのお子さんの患者さんの話を聞いて、心が洗われるようでした。
患者さんは身体的な苦痛だけではなく、心にもいろんな感情が湧いていると思います。どうして自分は、他の子たちと同じように動けないのか、どうして他の子たちと同じような外見じゃないのだろうか、こんな自分じゃこれから何もできないんじゃないだろうか、ずっと親に面倒をかけていくんじゃないだろうか…きっとそこへの不満も不安もくやしさも悲しさも感じてきたと思います。そして、親御さんの気持ちも、自分を責めたり、これからへの不安を持たれているのではないだろうかと思います。
しかし、彼らは、今の自分の状態を受け止めていて、自分で考え、とても前向きでした。「何か悪いことがあっても楽しいこともあるから」「普通ではない自分ではなくこれは自分の個性だと思えるようになった」など。この心境にいきついていることへの驚きです。ご家族のサポートがありながらも、自分で自分のことをそこまで引っ張ってきた子供たち。そして今の自分を受け入れて、自分の内側の生きる力を感じている子供たち。だから、その話には無理がなく、聞いている人の心を動かすのだと思います。
昔、知った、アフリカへ支援のために行った日本赤十字の看護師の方が、その状況の悲惨さに「こんなひどい状況があるなんて、神なんていない」と思ったのだそうです。そう思うくらい過酷な生活を毎日、女性や老人や子供たちは強いられていた。
そんな中、ミルクをもらいに来た男の子が持っている毛布がぼろぼろだったので、看護師さんは新しい毛布を渡そうとしたそうです。すると「僕にはこの毛布があるからいい。その毛布はあの子にあげて。あの子は毛布を持っていないから」と言ったのだそうです。そのとき、その看護師さんは「神はここにいるじゃないか」と思ったという話がありました。
今回の病院ラジオに出演した子供たちにも同じような気持ちを私は持ちました。ここに、神がいると思いました。神は天にいるのではなく、こうして人の心の中にいるのです。それも年齢、性別、国は関係なく。その神が、多くの人に気付きを与えていると思いました。神社、仏閣、教会にいかなくても、こうして日々の中で人の持つ「仏性」を見せてくれる人たちがあちこちにいます。
こうして身近に神を感じられることのありがたさと、同時に、自分はどうなのだろうと自分をみることの機会も与えてもらえます。神に近づける人は特別な人なのではありません。そもそも自分の内に神はいるのだから。それを自分が発露して行くのかどうか・・ということなんだと思いました。
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