| 甘い優しさ | - 2025/09/19
- 昨日書いた、お二人の対談。
イチロー氏は、現在はマリナーズでインストラクターとして仕事をされているそうです。又、シーズンオフの時は、日本全国の高校球児たちのところに出向き、その育成をしているのだそうです。
そこでの伝えることの難しさを痛感していると話していました。しかし、矢沢氏の在り方から伝え方ということではなく、大切なことは、自分のパフォーマンスを見せることなんだろうというところに話がいきます。伝えたい自分というところにフォーカスするのではなく、その在り方を見せるということでそこで伝わっていくものがある、ということです。
その話の中に今の子どもたちは、周りが皆優しくて、厳しくできないという話がありました。「今は、先生も指導者も親も含めて周りにいる人達が優しいのだそうです。しかし、社会に出て競争しなくてはいけない時に競争能力がすごく低くなってしまうんらしいです」と。これはそうだろうと思いました。
世の中の在り方が全体的に優しい。優しさというのもミーム(質)があるので、それはひとつではないのですが、押しなべて同じような在り方、物事に対して「優しい」と言います。それは傷つけないこと、嫌な思いをさせないこと、不快感を与えないこと、又、自分にもそうしない、させないことです。それが球児たちを見ていても感じられるのだろうと思いました。
競争能力は必要です。特に若いときにはその体験自体が必要だと思います。ここを、変にスピリチュアルになっていくと、競争はしなくていい、競争なんてレベルが低い、皆誰もが素晴らしい、という認識を持って自分の可能性にフタをしてしまうような捉え方もあります。
しかし、競争能力とは、自分自身と競争する能力とも言えるし、常識や決められてしまっている物事と競争することでもあります(そのために他とのそれが必要になる時期ももちろんあります)イチロー氏が言っていた「はがゆいところ」とはそんなところであり、それを伝えることが難しいのかもしれません(周りが優しいがゆえに)
パターン的な優しさを自他に向け続けてしまうと、本当にもったいないです。怖いところへ飛び込むことや挑戦することで人は初めて自分の可能性を感じたり、何か、根拠なく自分は出来る…と本気で思えるようになります。甘い優しさという温室から出ることなく一生を過ごすこともできるし、勇気をもって自由に羽ばたくこともできる。やっぱり自分で決めていくしかないんだと思いました。
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